熊さんにお願い

 週末、トレイルランニングの大会に出場してきました。場所は秩父。マラソン大会にはよく参加するのですが、本格的なトレイルランニングの大会は初めてです。登山とマラソンの間のような、山道を走るもの、マラソンの延長線上にあるスポーツ、的な捉え方で、一週間ほど前に大会のパンフレットを見ながら、「トレラン用のシューズが必要?そんなの要るかな」と思いながら一応スポーツオーソリティへ。「熊よけの鈴が必要?そんなの要るかな」と思いながらアマゾンで一番安い熊よけの鈴を購入。そんなイージーな気持ちで準備をしていざ向かった秩父トレイルランニング、これが想像の10000倍ハードで、泣くはめになりました。走る道などありません、目の前にあるのはただの急斜面と、険しいゴツゴツした山肌です。人が来るべきところには思えません、ガタイのいい熊さんのいるべきところです。しかも当日の天気は雨、前世の罰でも受けているのかと思うような過酷さです。濡れた岩に足を取られ、泥だらけになり、木にしがみつき、「熊が出ます」の看板に「そりゃそうだろう」と怯えながら、たまの休日に参加費を払って自分は何をしているのかと本当に心が折れました。
 そしてやっとの思いでもうすぐゴール、というところで、まわりを見わたす余裕が出た私の目に入ってきたのは、『熊さんにお願い』という看板でした。『あなたの住んでいる地域に人が音を出しながら立ち入りますので、どうか襲わないようにお願いします』。お願いしたい気持ちはよくわかりますが、当の熊さんは字が読めないという事実はどこに置いてきたんでしょう。なんの看板だ、です。ちょっと元気になった頭で苦笑しながらゴールしました。

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