身に余る幸運

 駐車場の話です。私の住んでいるマンションは敷地が広く、車は平置きで、場所が停めやすいところからそうでもないところまで様々なため、不平等がないように、毎年、駐車場の場所をくじ引きで決めることになっています。年に1回、車の大移動です。
 集会所に集まること総勢126名、その中で私はなんと今年、くじ引きで1番をひいてしまいました。一番最初に好きな場所を選んでよいということです。集会所にはおおお、という住民のみなさんのどよめきが。
 しかし正直、駐車場を選ぶ順番なら20番目とか30番目くらいで充分です。いざ200か所もある駐車場から、一番良い1か所だけを選べとなると、逆に困惑してしまいます。さらに、1番だったのに、選んだ場所が停めにくかったりしたら、一年間、駐車するたびに「幸運を使いこなせなかった男」というネガティブな自己認識が頭をかすめることになってしまいます。とはいえ、いくつか、自分の家から近くて、ハンドルも切り返さずに一発で停められるのではないかと思われる場所の候補は絞ってあったので、何とかその中から、悩ましい面持ちで場所を決めてきました。
 しかしそれがさらに沈痛な面持ちになるのはこの後でした。新しく決まった駐車場で妻を車に乗せたところ、「あ、ここ、大きい樹の真下だね」。車のハンドリング的停めやすさばかり気にしていて、すっかり忘れていました、多摩の緑が大変豊かであるということを。朝夕、この辺りの木々にはチチチと多くの小鳥達が羽を休め、枝や花をついばみ、そして時に例の落し物を・・・。夏には大量のセミが止まり、飛ぶときには例の水分を・・・。春の終わりには花びらが、秋には落ち葉が・・・。切り返しの回数が減ることも確かですが、洗車の回数が増えることも間違いなさそうです。

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